質問<2262>
「「n次導関数」」
日付 2005/4/1
質問者 kaz


(1)y=tan^-1xのn次導関数について次に答えよ。
 
 (a) y'=sin(y+π/2)cosyを示せ。
 (b) y''=sin(2y+2×π/2)co\(s^{2}\)yを示せ。
 (c) y^(n+1)=n!sin{(n+1)y+(n+1)π/2}co\(s^{n}\)+1yを帰納法で示せ。

★希望★完全解答★

お便り
日付 2005/4/8
回答者 亀田馬志


これはハッキリ言ってかなり『イヤな』問題です。
まあ、パソコンの表記の問題もありますが、大体やってて『意図』が良く分から
ない問題だと感じました。
数学不得手な僕が言うのも何なんですが、『実用的数学』の観点から言うと、
単なるパズルなカンジです。
問題を作った方、ご苦労さんです(笑)。暇なのかよっぽどイジワルな性格ですね(笑)。
取りあえず見て行きましょうか。

(1)y=tan^-1xのn次導関数について次に答えよ。

まず表記の問題ですが、-1乗ってのがパソコンじゃ良く分からなくなります。
そこで代わりに

・y=arctanx

って表現を用います。

(a) y'=sin(y+π/2)cosyを示せ

・y=arctanx

の微分公式、ってのがあったハズなんですが、見事に忘れています(笑)。
そこで次のように考えたいと思います。
次の関係は同値です。

・y=arctanx⇔x=tany

そこで次の微分公式

・d\(\frac{y}{d}\)x=d\(\frac{y}{d}\)u*d\(\frac{u}{d}\)x

を使って、x=tanyを『xに付いて』微分したいと思います。

・1={(secy\()^{2}\)}*d\(\frac{y}{d}\)x

d\(\frac{y}{d}\)xに付いて整理すると

・d\(\frac{y}{d}\)x=(cosy\()^{2}\)・・・①

普通は『ココで終わり』なんですが(笑)、まだ続きます(苦笑)。
次のように直します。

・d\(\frac{y}{d}\)x=cosy×cosy

アトはcosyとsinyの位相差に着目すれば解を示せます。

(b) y''=sin(2y+2×π/2)co\(s^{2}\)yを示せ。

メンド臭いんで、①をそのまま微分したいと思います。
使う公式は依然d\(\frac{y}{d}\)x=d\(\frac{y}{d}\)u*d\(\frac{u}{d}\)x。これ一本槍で進めます。

・y''=2cosy*(-siny)*d\(\frac{y}{d}\)x
  =-2sinycosy*d\(\frac{y}{d}\)x

ここでsin2y=2sinycosyを利用すると

・y''=-sin2y*d\(\frac{y}{d}\)x

アトは-sin2yとsin2yの位相差を考えて、それと(a)よりd\(\frac{y}{d}\)xは既に求められ
てるので、

・y''=sin(2y+π)*(cosy\()^{2}\)

π=2×π/2に着目すれば、解が導き出せます。

(c) y^(n+1)=n!sin{(n+1)y+(n+1)π/2}co\(s^{n}\)+1yを帰納法で示せ。

『力ワザ』での問題です(苦笑)。基本的に『数学的帰納法』がどうか、と言うより、
『正しく微分出きるか?』の方が大変です。もう本当はメンド臭いんでパソコンで
打ちたくないんですがね(苦笑)。
使う公式は依然d\(\frac{y}{d}\)x=d\(\frac{y}{d}\)u*d\(\frac{u}{d}\)xです。ちょっと見て行ってみましょう。

i)n=0の場合。

これは(a)で見た通り成り立ってます。なんで『0』からはじめなきゃならんのか
良く分かんないんですけど(笑)。

ii)n+1のトキ、

y^(n+1)=n!sin{(n+1)y+(n+1)π/2}co\(s^{n}\)+1y

が正しいと仮定すると……ってのがまあ定石ですね。

n+2のトキは・・・・・・さて、どうなる?ってのが問題の主眼なんですが、
単純に言うと、kazさんの表記法に従うと、

・y^(n+2)={y^(n+1)}'

って事ですよね?要するに

・y^(n+1)=n!sin{(n+1)y+(n+1)π/2}co\(s^{n}\)+1y

をそのまま微分して

・y^(n+2)=(n+1)!sin{(n+2)y+(n+2)π/2}co\(s^{n}\)+2y

になる事を示せば良い。そんなアタマ使うような問題じゃないです。
ただ計算がシチメンド臭いだけです(笑)。
じゃあ気が重いんですけどやってみまひょか?丁寧に計算追って来て下さい。

・{y^(n+1)}'=n!cos{(n+1)y+(n+1)π/2}*(n+1)d\(\frac{y}{d}\)x*cos^(n+1)y
       +n!sin{(n+1)y+(n+1)π/2}*(n+1)cos^(n)y*(-siny)*d\(\frac{y}{d}\)x
     =(n+1)*n!*[cos{(n+1)y+(n+1)π/2}*cos^(n+1)y*d\(\frac{y}{d}\)x
       -sin{(n+1)y+(n+1)π/2}*siny*cos^(n)y*d\(\frac{y}{d}\)x]

ええと、まずココまで。大丈夫でしょうか?
ココで(n+1)*n!=(n+1)!、それと(a)の①でd\(\frac{y}{d}\)x=cos^(2)yだったんで、
それを利用すると。

{y^(n+1)}'=(n+1)!*[cos{(n+1)y+(n+1)π/2}*cos^(n+1)y*cos^(2)y
      -sin{(n+1)y+(n+1)π/2}*siny*cos^(n)y*cos^(2)y]
     =(n+1)!*[cos{(n+1)y+(n+1)π/2}*cos^(n+3)y
      -sin{(n+1)y+(n+1)π/2}*siny*cos^(n+2)y]
     =(n+1)!*cos^(n+2)y*[cos{(n+1)y+(n+1)π/2}*cosy
      -sin{(n+1)y+(n+1)π/2}*siny]

とココまで。括り出しは上手く行ったでしょうか?
ココで(僕にとっては)懐かしい次の三角関数の公式を使います。

・cos(A+B)=cosAcosB-sinAsinB

これで上記の『幾分長ったらしい部分』ってのが整理出来ますよね?
つまり、

{y^(n+1)}'=(n+1)!*cos^(n+2)y*cos{(n+1)y+(n+1)π/2+y}
     =(n+1)!*cos^(n+2)y*cos{(n+2)y+(n+1)π/2}

アトはcos{(n+2)y+(n+1)π/2}とsin{(n+2)y+(n+1)π/2}の位相差を考慮すれば
証明は終了です。
お疲れ様でした。