行列A=(a b)は、ある自然数nに対してAn =0
(c d)
となるとする。ただし、0は零行列である。
(1)ad-bc=0を証明せよ。
(2)もしb=0ならば、a=d=0となることを証明せよ。
(3)もしb≠0ならば、
P=(1 0)
(-\(\frac{a}{b}\) 1)として、P-1APを計算することによって、
a+d=0を証明せよ。
(4)A2 =0を証明せよ。 [00 東京都立大・理、工〕
行列A=(a b)は、ある自然数nに対してAn =0
(c d)
となるとする。ただし、0は零行列である。
(1)ad-bc=0を証明せよ。
(2)もしb=0ならば、a=d=0となることを証明せよ。
(3)もしb≠0ならば、
P=(1 0)
(-\(\frac{a}{b}\) 1)として、P-1APを計算することによって、
a+d=0を証明せよ。
(4)A2 =0を証明せよ。 [00 東京都立大・理、工〕
2次正方行列A≠零行列Oで、かつAn =Oの条件の下で、
次を証明していく。
そのとき役立つのが、ケーリー・ハミルトンの定理である。
それは、「任意の2次正方行列Aに対して、
A2 -(a+d)A+(ad-bc)E=Oが成り立つ。」という
ものです。
問1
ad-bc≠0ならば、detA≠0なので、逆行列A-1がある。
条件An =Oの両辺にA-1を(n-1)回掛けると、
An ・(A-1)n-1=O・(A-1)n-1
∴A=O
a=b=c=d=0より、ad-bc=0
仮定に反するから、
An =Oとなるのは、ad-bc=0である。
問2
ad-bc=0で、かつb=0ならば、ad=0∴a=0またはd=0
いま、a=0とすると、ケーリー・ハミルトンの定理より、
A2 -dA=O
A2 =dA
両辺にAを掛けると、
A3 =dA2 =d2 A
これより、
両辺にAn-2を掛けると、
An =dAn-1=dn-1A
左辺は条件より、An =O
A≠Oより、
∴d=0
したがって、a=d=0
問3
ad-bc=0で、かつb≠0のとき、
P=(1 0)とP-1=(1 0)
(-\(\frac{a}{b}\) 1) (\(\frac{a}{b}\) 1)
をAの左と右から掛けて、
P-1AP=(1 0)(a b)(1 0)
(\(\frac{a}{b}\) 1)(c d)(-\(\frac{a}{b}\) 1)
=(0 b )
(0 a+d)
両辺をn乗すると、左辺は
(P-1AP)n =P-1An P=P-1OP=O
右辺は
(0 b )n =(a+d)n-1(0 b )
(0 a+d) (0 a+d)
b≠0より、(0 b )≠O
(0 a+d)
∴a+d=0
問4
b=0であってもb≠0であっても、a+d=0
ad-bc=0かつa+d=0のとき、
ケーリー・ハミルトンの定理より、
A2 -0・A+0・E=O
∴A2 =O