nが自然数であるとき、
(a1>0)∧(a2>0)∧・…∧(an>0)
⇒(a1+a2+…+an)/n≧(a1×a2×・…×an)の\(\frac{1}{n}\)乗
を証明せよ。
等号成立⇔a1=a2=・…=an
nが自然数であるとき、
(a1>0)∧(a2>0)∧・…∧(an>0)
⇒(a1+a2+…+an)/n≧(a1×a2×・…×an)の\(\frac{1}{n}\)乗
を証明せよ。
等号成立⇔a1=a2=・…=an
質問<771>の解答です.
こんなのもいいのでは?
a>0,b>0で,次は既知とします.
(a+b)/2≧\(\sqrt{\quad}\)(ab) ・・・#
pを自然数とするとき,q=\(2^{p}\)で,
a[1],a[2],a[3],・・・,a[q] で,ふたつずつで#に当てはめる.
(a[1]+a[2])/2≧\(\sqrt{\quad}\)(a[1]a[2]) ,
(a[3]+a[4])/2≧\(\sqrt{\quad}\)(a[3]a[4]) ,
・・・・・・
(a[q-1]+a[q])/2≧\(\sqrt{\quad}\)(a[q-1]a[q]) .
出てきた不等式で右辺をまた,ふたつずつ#に当てはめる.
これを繰り返すと,
(a[1]+・・・+a[q])/q≧(a[1]×・・・×a[q])^(\(\frac{1}{q}\)) ・・・%
そして,ここで等号が成り立つのはすべてのa[j]が等しいときです.
n=2の累乗のときは証明できたので,
いま,2^(p-1)<n<\(2^{p}\)=q とします.
m=(a[1]+・・・+a[n])/nとかきます.
さらに,a[n+1]=a[n+2]=・・・=a[q]=mとすると,
a[1]+・・・+a[n]=mn,a[n+1]×・・・×a[q]=m^(q-n) で,
%から,
{mn+(q-n)m)/q≧{a[1]×・・・×a[n]×m^(q-n)}^(\(\frac{1}{q}\))
m≧{a[1]×・・・×a[n]×m^(q-n)}^(\(\frac{1}{q}\))
両辺をq乗して,\(m^{q}\)≧a[1]×・・・×a[n]×m^(q-n)
よって,\(m^{n}\)≧a[1]×・・・×a[n]
これの両辺のn乗根をとれば,問題の不等式は証明されたことになります.
771の他の方法とかわないのでしょうか?
d3さんが証明したのが、一般化の証明法ですので、
他には無いと思われます。
すみませんがmのていぎがよくわからないのですが?
d3さんの証明を分かりやすく表現してみると、
①nが2の累乗のとき、 \(n=2^{p}\) とすると、
\(\frac{a+b}{2}\geq \sqrt{ab}\) ………(#)を既知として、
\(\frac{a_{1}+a_{2}}{2}\geq \sqrt{a_{1}a_{2}}\) の左辺を(#)を利用して、
\(\frac{\frac{a_{1}+a_{2}}{2}+\frac{a_{3}+a_{4}}{2}}{2}=\frac{a_{1}+a_{2}+a_{3}+a_{4}}{4}\geq \sqrt{\frac{a_{1}+a_{2}}{2}\cdot \frac{a_{3}+a_{4}}{2}}\)
\(\geq \sqrt{\sqrt{a_{1}a_{2}}\sqrt{a_{3}a_{4}}}=^{4}\sqrt{a_{1}a_{2}a_{3}a_{4}}\)
これを2つずつ繰り返して、
\(\frac{a_{1}+a_{2}+\cdots +a_{n}}{n}\geq ^{n}\sqrt{a_{1}a_{2}\cdots a_{n}}\)
②nが2の累乗以外のとき、 \(2^{p-1}<n<2^{p}\) とすると、
\(m=\frac{a_{1}+a_{2}+\cdots +a_{n}}{n}\) とすると、 \(2^{p}=q\) とおいて、
(q-n)個の \(a_{k}\) すべてを上のmとおくと、
\(a_{n+1}=a_{n+2}=\cdots =a_{q}=m\)
①より、
\(\frac{a_{1}+a_{2}+\cdots +a_{n}+m+m+\cdots +m}{q}\geq ^{q}\sqrt{a_{1}a_{2}\cdots a_{n}\cdot mm\cdots m}\)
したがって、
\(\frac{a_{1}+a_{2}+\cdots +a_{n}+m(q-n)}{q}\geq ^{q}\sqrt{a_{1}a_{2}\cdots a_{n}\cdot m^{q-n}}\)
\(\frac{mn+m(q-n)}{q}\geq ^{q}\sqrt{a_{1}a_{2}\cdots a_{n}\cdot m^{q-n}}\)
両辺をq乗して、
\(m^{q}\geq a_{1}a_{2}\cdots a_{n}\cdot m^{q-n}\)
\(m^{n}\geq a_{1}a_{2}\cdots a_{n}\)
したがって、n乗根をとると、
\(m\geq ^{n}\sqrt{a_{1}a_{2}\cdots a_{n}}\)
①②より、すべての整数n≧2で、相加平均相乗平均の一般化は証明できた。
武田 様
長男の受験勉強の手助けをしていて、標記の問題を解説した後、
たまたま「高校数学の窓」に遭遇し、楽しませていただきました。
それで、
> d3さんが証明したのが、一般化の証明法ですので、
> 他には無いと思われます。
に関して、ちょっと気にかかり、お便りさせていただきます。
要点は、次の通りです。
1) 相加平均と相乗平均の関係は、対数関数を通して見た方が
見通しがよい。
2) すなわち、相乗平均とは、対数をとって平均することである
と思う。そう思えば、相乗平均では、相当大きい数でも小さく
評価されて平均されるので、平均値が小さめになることは、
直感的にも理解しやすい。
3) こういう感覚での証明の要点は次の通り。
① 対数関数が上に凸であることから
===> f(s*a + t*b) >= s*f(a) + t*f(b)
ここで、s, t >=0; s+t=1
===> 上の性質を使って、数学的帰納法により、一般に
f((a+b+...)/n) >= (\(\frac{1}{n}\))*(f(a)+f(b)+...)
を示す。
② 対数関数が単調増加であることから、大小関係が
値域と定義域で同じ方向に保たれる。
すなわち、相加・相乗平均の関係は、対数関数の凸性と単調性
からの単純な帰結であるということです。
ご存じかもしれませんが、念のためお知らせしました。
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数学が苦手の受験生の父より
「相加・相乗平均の一般化の別証明」につき、
ページへの掲載、ありがとうございました。
そのまま掲載されることを意図しなかったため、高校生向けという
意味では説明不足の懸念があり、要点のみで恐縮ですが、補足
いたします。
問題は、対数関数が上に凸であることから、
(1) f(s*a + t*b) >= s*f(a) + t*f(b)
ここで、s, t >=0; s+t=1
と簡単に片付けてしまっていることにあります。
(1) は、むしろ、凸であることの定義であり、より正確には、例えば
(2) 区間[a, b] で関数 f が上に凸であること
<=>(定義)
任意の x1, x2 ∈ [a,b] に対して
f(s*x1+ t*x2) >= s*f(x1) + t*f(x2)
ここで、s,t は s, t >=0; s+t=1 を満たす任意の実数。
というように定義します。不等式の右辺は、関数のグラフで、x1, x2
に対応する関数値を表す2点を結ぶ線分を任意の比率で内分した
点の高さを示しますので、不等号は、その点で関数値が上にある
ことを示します。
このように定義した上で、これが微分可能な関数の場合には、
(3) 区間[a,b] で2階微分可能な関数が上に凸
<=> 2階導関数がその区間で正の値をとらない
ということが平均値の定理を使って証明できます。
対数関数の2階導関数は -1/\(x^{2}\) で正値をとらないので (3) に該当
するというわけです。
なお、対数関数を使うということは、指数の概念をn乗・n乗根(\(\frac{1}{n}\)乗)
という自然数から、実数にまで拡張した段階での話であり、そういう
視点から見ると、相加相乗平均の大小関係が、凸というより一般的な
性質から、1つの必要条件として出てくるということです。
すなわち、この証明方法は、上記のような解析学の基礎的な知識を
前提にして成り立つものですので、その辺りの話を抜きにして
「単純な帰結」
と言ってしまっては、証明の肝心な部分を省略して、単純に見える
という印象を与えたに過ぎなかったかなと反省しています。
前提知識が少なくてすむという意味で、高校生向けには、d3さん式
の証明が無難かもしれませんが、より一般的な視点から問題を
見ておく意味はあるのではないかと思います。
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数学では目標を達成しても、物理で失敗した受験生の父