質問<576>2001/7/18
from=つき
「ハムスターの道のり(有名な問題です)」
正方形の頂点にそれぞれハムスターがいます。 このとき隣のハムスターまでの距離は10cmとします。 そしてそれぞれハムスターが同時に同速で隣のハムスターに向かって進 んでいくと、ハムスターはらせん状(渦巻状)に進みながら中心まで行 くことになります。そしてハムスターは中心で一緒になることになりま すが、出発してから一緒になるまでの間にハムスターはどれだけ進むこ とになるでしょう。 これは速度の概念を用いると解きやすくなります。 あと、極限の概念を用いて解くこともできます。 これら2つとも、高校の範囲で解けます!! 僕はまだ速度のほうしか解けてないんで、いま極限の概念での解き方で 解けるように勉強中です。(勉_勉)
お便り2001/11/2
from=CharlieBrown
昨日はすばやい対応、ありがとうございました。 未解決問題をいくつか解決しましたので、順を追って解答を送りたいと 思います。 問題576:お互いを追跡するハムスターの道のりの問題 各ハムスターの速さは等しく、常にvで一定とします。四隅を出発して から中心に到達するまでの時間をTとすれば、求める道のりはvTです。 正方形の対角線方向にxy座標を設定すると、各ハムスターは初め軸上 原点から5√2cmの点にいます。時刻t=0に追跡運動を開始し、時刻tに おけるハムスターの位置をP1~P4とすると、対称性から四角形P1P2P3P4 は原点が中心の正方形となります。追跡という性質から、ハムスターの 速度ベクトルはこの四角形の4辺と平行です。この速度ベクトルを、 原点に向かう方向(動径方向)とそれに垂直な方向(回転方向)に 分解すると、原点に向かう成分はv/√2で(∵△OP1P2は直角二等辺三角形)、 ハムスターの位置にかかわらず一定です。したがってハムスターは螺旋 を描きながら、一定の速さv/√2で原点に近づいていきます。 以上から、原点に到達する時間は、T=5√2÷(v/√2)=10/v。 ∴vT=10[cm] となります。 結果はハムスターの速さvによらず、常に初めのハムスター間距離10cmと 等しくなります! 高校生の数学IIIまでの知識で十分理解できるように解答を書きましたが、 実際にこの問題を解くには微分方程式が必要です。ハムスターの回転角を θとすると、微分方程式を解けば、θ=log{10/(10-vt)}(初期条件t=0でθ=0) となります。